この事例の成果
- YouTube内の検索ボリュームが前年比約2倍
- YouTubeショートで再生回数約29万回
株式会社FinTは、株式会社サザビーリーグアイビーカンパニーが展開するライフスタイルブランド「アフタヌーンティー・ティールーム」のSNSマーケティングをご支援をさせていただいております。今回は同社のプロモーションを担当する毛利様と、株式会社FinT 担当ディレクター小牧に、インフルエンサー施策を駆使したコンサルティングについて取材しました。
(取材:株式会社FinT 広報担当石原里奈)
本日はよろしくお願いします!まずは株式会社サザビーリーグについて、また今回の施策で注力された「アフタヌーンティー・ティールーム」の位置づけについて教えてください。
毛利様:弊社は1981年に創業し、「spice of a day——日常に心地よい刺激を」というブランドコンセプトの下、毎日がちょっと豊かになる提案をお届けしているライフスタイルブランドです。「アフタヌーンティー・ティールーム(以下、「ティールーム」)は、食の部分を担う領域で、北海道から沖縄まで全国に85店舗展開しています。
続いて、毛利様の担当業務をお聞かせいただけますか?
毛利様:現在は宣伝部のプロモーション課で、SNSとWEBでのプロモーションを担当しております。主にブランドサイトの運用や、Instagram・TwitterをはじめとするSNSの運用のほか、SNSを起点としたキャンペーンの企画立案も担当しています。
情報配信はもちろんのこと、実店舗でのお客様との接点づくりや、お客様との対面によるコミュニケーションを主目標に据えたプロモーションを行っています。

株式会社サザビーリーグ毛利様
改めて「ティールーム」のターゲットや、今回FinTにご依頼いただくに至った背景・課題感を教えてください。
毛利様:メインターゲットは女性。ブランドが40年以上続いていることもあって、お客様の年代も40〜50代が中心です。もちろん既存のお客様に継続して愛用いただきたいことは前提として、次なる核となる客層を迎えるべく、新しい世代を取り入れていくことを目標として、新しく施策を進めていきたいと思案していたのが施策をはじめたきっかけです。
今回の施策では新しく20~30代のお客様との接点作りをを見据えて、次の世代へのブランド認知を高めていきたいと目標に据えていました。
今回20〜30代を中心とした施策の中で、実際に行ったのは期間限定の店舗プロモーションでしたね。
毛利様:今回ご依頼させていただいたのは、SNSを活用して、期間限定のプロモーションの認知を高めることでした。”Strawberry Fun!”をテーマに、苺を楽しむメニューを展開させていただきました。本プロモーションは、弊社の中でも新規顧客の開拓や、若年層の方にご利用いただく機会が多い部分を担っていたので、キャンペーンを活かして、より私たちのファンになっていただけるようなコミュニケーションができないかと思い、キャンペーンと絡めたSNS施策を今回ご相談させていただきました。
SNSを活用した、若年層への効果的なアプローチ施策をお任せいただいたのですね。施策の中でもSNSという手段を選んだ理由は?
毛利様:今回は、幅広い年齢層に響くこと、SNSの動画に注目して「アフタヌーンティー」というブランドを認知していない方にも、商品情報だけではなく、ブランドの雰囲気も動画を通じて発信できる魅力が、SNSを選んだ大きな理由です。
これまでもSNSキャンペーンを通じて、InstagramやTwitterを活用してきてはいたのですけれども、特にInstagramではリールが主流になってきているので、より、再生回数を伸ばしたいと思っておりました。
そういった中で、今回FinTさんへのご相談を通じ、Instagramのリールの効果的な活用や、さらには本元となったTikTokの活用も視野に入れたSNS施策を行うことで、より多くの方にリーチできるのでは——そうご提案いただき、TikTokユーザーにも広がる新しい試みに挑戦したいと、ご一緒させていただきました。
では実際の取り組みについて教えてください。具体的にどのような施策を展開されたのでしょうか?
毛利様:先ほど申し上げたとおり、今回は20〜30代のミレニアル世代を中心に、これから新しくファンになっていただきたい世代をメインターゲットとして、苺を楽しむ期間限定のプロモーションと絡めたインフルエンサー施策を行いました。
プロモーションをきっかけに、店舗の空間や雰囲気、またそもそもの店舗自体を知っていただき、中長期的にお越しいただくきっかけ作りの一環として施策を進めました。
ありがとうございます。FinTとしてどういった施策をご提案し、実行したか教えてもらえますか?
小牧:主にTikTokを活用し、また、TikTokのインフルエンサーによるInstagramへの転用も活用したプロモーションを行いました。
投稿内容としては2つ。1つがVLOG形式の動画です。日常の中で、ちょっと一息をつける場所、くつろぎの場所として紹介いただくものです。こちらは、インフルエンサーの日常生活に憧れを抱いたり、「真似してみたい」 と思っていただける要素を多く持っているVLOG系のTikTokerをアサインして行いました。
もう1つは、店舗紹介や場所の訴求に長けているインフルエンサーに、ティールームという店舗の訴求と紹介です。これら2つをバランスよくカバーできるインフルエンサー候補を選定し、ご提案いたしました。

プロモーション施策実施の際にこだわったポイントは、定量的な面では再生回数の部分。弊社ではインフルエンサーの過去投稿の分析を非常に重要視しております。目安の1つとしては、フォロワー数に対して約60%の再生率を、過去投稿(動画)でコンスタントに出せていること。この指標が、そのアカウントが伸びているか、いないかの境目と考えています。なので、まずはこの基準をクリアしていることを第一条件として、インフルエンサー候補のリストアップを行いました。
また、アフタヌーンティー様の考える、ブランドの世界観や雰囲気が、普段の投稿と親和性が高いかどうかを、毛利様をはじめアフタヌーンティーの皆様にご協力いただきながら、インフルエンサーの選定を進めました。
今回の施策にあたって、特に重視した点や、大事にしていた軸などはありますか?
毛利様:今回のプロモーションのテーマである「苺」は、1年のプロモーションを通しても比較的若年層や新規の方にもご利用いただくプロモーションであり、人気のある商材です。写真や画像だけでもかなり訴求力が高いため、この機会を上手く活かして、新しい世界観を築きつつ、より多くの方に発信したいと思っていたのがまずあります。
そして、その中でもやっぱりブランドイメージをしっかり伝えて行きたいという目標もありました。単に商品情報がSNSで流れるだけではなく、店舗での体験を伝えられたらと思い、施策を進めていただきました。
アサインするインフルエンサーさんを選定する中での基準や条件はありましたか?
毛利様:アサインに関しては、FinTさんにお任せしていました。実際、選定していただいたリストを見てみると、自社では選ばないだろうという意外性の高い方も候補に挙がっていて。結果としても、再生回数がとても伸びた方もいたので、本当にお任せして良かったなと振り返って思います。
ありがとうございます。FinTとして、先ほどの定量的側面以外にインフルエンサーを選定するにあたって重視した点は?
小牧:定性面では、インフルエンサー投稿のコメント部分で、普段どんなコメントがユーザーから付いているのかは目検で確認しております。
世の中には、条件に合ったインフルエンサーを挙げるツールなどもありますが、ツールだけではどうしても見えない部分があります。
たとえば、コメントの内容が、インフルエンサーの容姿に寄っているのか、あるいは紹介しているPR商品に対してのものなのか、それだけでも選定の基準は変わってきますよね。
類似したPR商品を紹介している過去の投稿を見た際に、適切なコメントが寄せられているかどうかは確認したうえで選定させていただいております。

毛利様:中には、なかなか弊社のクリエイティブでは見ないような投稿をされるインフルエンサー様もいらっしゃいましたね。
小牧:そうでしたね。ただ、過去の投稿をすべて羅列して見ていくと、少し癖のある投稿でも、悪いコメントが集中しているものも全くなく、むしろ「かわいい」「そのお店に行ってみたい」「何を食べてるんですか?」など、紹介している物や店舗に対する好意的なコメントが多い方でした。確かに普段は選ばないような方だったとは思いますが、今回の施策にはとても上手くハマったなと思っております。
毛利様:「ここはアフタヌーンティー・ティールームです」と返答しているコメントに対して、「いいね」もしっかりついていて、しっかりと動画の内容もフォロワーの方が見てくださっていて、かつフォロワーの方のコメントに対して真摯に答えてくださってるっていう…そんな動画になっていて、良かったなと。
小牧:投稿の大元に「いいね」がついたり、コメントがあったりはよく見られるのですが、コメント欄までもぐって、「いいね」があれだけ付くことはほとんどなくて…。
そのインフルエンサーによる投稿は、結果としてYouTubeショートにも配信したのですが、YouTubeショートのコメント欄で約300件、TikTokでも200件近く「いいね」がついていました。共感のコメントが集まるのは、弊社の過去の実績を見ても、多くて100件あるかないか。この結果を見ても、非常に影響が出たのかなと感じます。
毛利様:この事象からも、ちゃんとブランドを認知してくれている手応えを感じました。きちんと情報を取りに、動画を見に来てくださっている方が多いのだなと。
アサインしたインフルエンサーのディレクション面で、何かこだわった点は?
小牧:どういうコンテンツを作っていくかという面において、重複しますがインフルエンサーが過去にどんな投稿をしていたか、どういった投稿の再生回数が伸びているのかは、よく見るポイントです。
また、今回ご紹介させていただくPR商材やサービス内容に応じて、過去投稿が伸びた要因の分析結果(ファクト)と、商品・サービスの良さ、両者がそれぞれちゃんと噛み合うコンテンツとは?を弊社なりに考えたうえで、インフルエンサー本人にもご意見をいただきながら制作しております。
また、SNSのトレンドは非常に移り変わりが速いです。そのため、最近の流行の要素も上手く織り交ぜながら、インフルエンサーと意見交換を綿密に行なったうえでコンテンツ制作を進行しました。

実際のインフルエンサー施策を行った結果はいかがでしたか?
小牧:今回のKGIは集客でした。施策実施後、Googleトレンドでの検索ボリュームが約1.3~1.5倍ほど増えており、前年同月の数値と比較した際に、ウェブ全体での検索量が増えた結果となりました。
また、GoogleトレンドのサービスはYouTubeだけに絞った検索指標を見ることもできます。それを見た時、YouTubeの中だけだと、前年比で約2倍、検索ボリュームが増えました。
当初、施策の内容としてYouTubeショートは入っていませんでしたが、アサインしたインフルエンサーとのやり取りの中で調整を行い、結果としてYouTubeの影響と、主軸として取り組んだTikTokの2つが上手く噛み合って検索ボリューム=指名検索が増えたと捉えています。
企業名やサービス名で指名検索を行ったユーザーと、例えば「カフェ」などの抽象度の高いキーワードで検索したユーザーを比較すると、明らかに前者のユーザーの方が企業・サービスに対する関心や熱量が高いと判断できます。そこでの指標がしっかりと上がったことは、今回のインフルエンサー施策における成功点だったと考えています。
指標の部分以外でも、体感された結果の振り返りや、施策による影響を実感されたりはしましたか?
毛利様:本施策の実施後、19歳などの若年層による投稿も見受けられるようになりました。ターゲットに据えていた世代の方に、SNS上を通してしっかりとブランド認知をしていただけたという実感があります。
各SNSのプラットフォーム(TikTok、Instagram、YouTubeショート)の特徴と、具体的な振り返りも教えてください。
小牧:TikTokは、若年層の中でも10〜20代を中心としたプラットフォーム。拡散力で言うと、あまりフォロワーの影響を受けず、フォロワー以外にもリーチしやすいプラットフォームです。そのため、認知施策という面では一番適した媒体と言えるでしょう。
Instagramは、ユーザーの年代は30前後、TikTokよりもやや上の世代になります。
また、TikTokに比べるとフォロワーの影響が少し大きい媒体です。アルゴリズム的に、フォロワーにまずは投稿が向けられるものになるので、フォロワーによる「いいね」やコメント 、閲覧の滞在時間等を指標に、フォロワーに刺さっている投稿なのかが判断されます。その評価を経てから、「発見」タブなどでフォロワー以外にリーチできるところに表示がされるかどうかが決まります。その結果次第で、インプレッションやリーチの数が変わるため、先述の通りフォロワーに依存する部分がTikTokよりは大きいと考えています。
YouTubeショートに関しては、最も年齢層が幅広いかなという印象があるのと、一番セグメントがしっかりしている媒体かなと受け止めています。
ほかの媒体では、気軽にアカウントをフォローすることもあるかとは思うのですが、YouTubeは、恐らく100、200チャンネル以上登録している人って少ないと思います。こうした面での違いはあると思っています。
YouTubeの一番の特性としては、遷移先のURL=外部サイトに飛ばすことが唯一許されているSNSプラットフォームという点。よく、「概要欄から詳細をご覧ください」といった形でサービスのLPに遷移させる表記がありますよね。なので、より詳細な情報を載せられるプラットフォームとして機能している印象があります。
SNS施策においては、こうした違いも加味して施策ごとの棲み分けもできるかと思います。
今回の施策について、具体的に各プラットフォームの結果を振り返っていただけますか?
小牧:TikTokに関しては、再生回数で見た時、今回アサインしたインフルエンサーの合計フォロワー数に対して、100%の比率で超えており、弊社の基準値である数値をしっかり超えられていました。また、Googleトレンドでのウェブの検索ボリュームが増えていたことから、何かしらSNSを見てからブラウザで検索しないと、ここでの数値は伸びないはずなので、SNSによる影響が大きかったと考えています。
YouTubeショートについても、チャンネル登録者数が17万人前後に対して、再生回数は約29万回。
インフルエンサーの力もありますが、検索ボリュームと再生回数を含めて考慮しても、想定していた60〜70%という数値目標を大きく超える結果となりました。
加えて、一般ユーザーの投稿やコメントという一部定性的な影響も垣間見ることができたので、今回のインフルエンサー施策についてはポジティブな影響を与えることができたと思っています。
今回のFinTとの取り組みを経て、変化や気づきがあれば簡単に教えていただけますか。
毛利様:今回の施策の中でも特に印象に残っているのはTikTok。再生回数が伸びていただけでなく、継続してずっと数値が伸びていました。アサインしたインフルエンサー様のフォロワーの方にも、フォロワー以外の方にも届いてる実感があり、施策に踏み切って良かったなと感じています。
また同時に、クリエイティブを含めて、自社では接点を持てないようなところにリーチできたとも思っています。
今回の実績ができたからこそ、施策によってはTikTokのようなプラットフォームを使って、新しい世代に情報を届けてアプローチする手法が有効なのだという自信がつきました。

今は、クリエイティブ(リールや動画)を作成するうえで、動画の視聴完了率が重要になってきていると聞きます。冒頭でどうやってヒキをつくるか、最後までどうしたら観てもらえるかなど、クリエイティブ面も細かく見れてはこなかった部分なので、ただ動画を作って流すのではなくて、しっかり観込んでいただけるようなクリエイティブを制作していける体制を整えたい、というのが今回の施策を受けて生まれた課題です。
最後に、今後のSNS方針のほか、ブランドとしての展望や目指す姿を教えてください。
毛利様:現在、弊社ではアンバサダー施策に取り組んでいるのですが、今後はファンの方に向けてよりコミュニティを広げていきたいと思っています。
アフタヌーンティーは、長らくファンでいてくださる方が多く、ともに歩んでいると思っています。新しいファンになってくださった方とお付き合いができるように努力して、長く、そして幅広く、縦横に広がっていくファンコミュニティを形成していきたいです。そういった時、今回のようなインフルエンサー施策を含め、どのような施策がより良いのか、考えながら取り組んでいきたいですね。
本日はありがとうございました!
株式会社FinTでは、各SNSプラットホームの運用戦略立案から、画像制作、投稿、プロモーションの実施、効果測定といった運用のトータルサポートをさせていただいております。運用だけではなく、インフルエンサーマーケティングやSNSコンサルなど、SNSにまつわる設計や分析〜実装まで幅広く実施しておりますので、ご相談があればお気軽にご連絡ください。