Case Study

商業施設トップ水準のエンゲージメントを記録|トリエ京王調布 導入事例

小売・EC Instagram運用

この事例の成果

  • Instagramで商業施設トップ水準のエンゲージメントを記録
トリエ京王調布の取材写真

株式会社FinTは、京王電鉄株式会社が運営する京王線調布駅前のショッピングセンター「トリエ京王調布」のInstagramアカウントのSNSコンサルのご支援をさせていただいております。

今回は同施設の副支配人である國府田様と、ファッションフロアや施設の販促施策の企画・運営を担当する荒幡様、そして株式会社FinT担当ディレクター大澤に、地域に根ざした商業施設ならではのInstagramを通じたファン獲得へのアプローチと、顧客のエンゲージメントを増幅させるコンサルティングについて取材しました。

本記事は、Instagramの運用を自社でやっているもののなかなか成果が出ないといったお悩みや、自社でできる運用をどう最大化していくべきかといった基礎的なお悩みに関して、お答えしていく記事になればと考えております。

(取材:株式会社 FinT 広報担当石原里奈)

本日はよろしくお願いします!まずは「トリエ京王調布」について教えてください。

國府田様:トリエ京王調布は、京王電鉄が直営する商業施設となります。実は鉄道会社は街づくりの要素が非常に強いんです。沿線に商業施設や住宅を開発し、人々に住んでもらう、選んでもらうことを目指しています。私たちは、その中でも調布という地域に寄り添った商業施設「トリエ京王調布」を運営しています。

より魅力的な商業施設を運営することで、人が集まり、調布に住みたいと感じてくれる人が増え、結果的に電車やバスを利用してくれる人が増える——と、グループ全体で街の利便性向上の好循環を生み出す「街の拠点」となるべく日々運営に注力しています。

ありがとうございます。続いて、國府田様と荒幡様の担当業務を教えてください。

國府田様:私は、トリエ京王調布の副支配人を務めています。商業施設の運営全般を統括しており、中でも営業と販売促進・集客に関わる業務をチーム全体で取り組み、推進するような立場です。

荒幡様:私は主に、トリエ京王調布のファッションフロアと、施設の販促施策の企画や運営を担当しています。その業務内にInstagramの企画・運営も組み込まれています。

京王電鉄株式会社國府田様

現在は主にどのようなSNSを運用されているのでしょうか?また、SNSに注力されている理由もあわせてお聞かせください。

國府田様:現在運用しているSNSは大きく分けると2つで、1つはLINE、もう1つがInstagramです。力を入れている理由としては、これまでの広告手法では、お客様の反応が見えにくいのが最大の理由でした。

百貨店や商業施設の多くは、折込チラシや会員様へのダイレクトメール等のような紙媒体での告知が主流でした。一方で、紙媒体の告知は費用に対してどの程度効果があったかどうかを検証しにくい。誰が見て、どう感じているのか…お客様の反応が全く分からないと感じていました。そこで、LINEやInstagram等のSNSの導入に至りました。

SNSは、どれだけの人が、どの時間帯に見ているかなどの反応がダイレクトに数字として出るので、検証がとてもやりやすかった。これがSNSに注力するに至った理由の1つです。また、もう1つはターゲットに合わせたアプローチを取りたかったという点。今の20代、30代の方々は新聞を読む機会が少なく、折込チラシがそもそも届いていないのではと感じています。その意味でも、SNSに移行することで、これから施設のファンになっていただきたいターゲット層にダイレクトにアプローチできると考えました。

そうした中で、Instagramの運用面において、FinTにご依頼いただいた際の課題感はどんなところにあったのでしょうか?

國府田様:Instagramのフォロワー数が伸び悩んでいたのが大きいです。LINEの運用においては、クーポンの発行で一気に何千人と増えることもあったのですが、Instagramはそうもいかなくて、難しいなと感じていました。

京王電鉄株式会社荒幡様

地域に根ざした商業施設ならではの難しさもあったと伺いました。

國府田様:そうですね。通常の館販促であれば、施設に入っている店舗の紹介や、館内のキャンペーンを告知することが多いと思いますが、弊社のInstagramの場合「調布という街で、こんな過ごし方をしてもらいたい」というトリエ京王調布からの提案を発信できたらいいなと感じていました。

その理由には、私たちが鉄道会社であるという点が大きいです。調布という街を好きになってもらう、街へのエンゲージメントを高めてもらうことが、やはり事業柄一番重要かと考えております。

「じゃあ、どうやって街を好きになってもらおうか」という課題に対して、Instagramがその課題解決の役割を担い得るのではないかと考えたんです。Instagram上で「調布にある深大寺にはこんなコンテンツがある!?」「家族や恋人と過ごせるオススメスポット」等を提案する等、一見、トリエ京王調布と全く関係のない内容に見えても、コンテンツの写真をよく見ると、施設の店舗が取り扱う洋服をモデルさんが来ていて紹介されている…そうした温度感での展開を貴社と一緒に考えていただき、取り組んでいるところです。

荒幡様:Instagram を運営するにあたって他の商業施設と差別化を図りたい、施設ひいては地域のファンをつくりたいという2つの目標がありました。調布駅はターミナル駅とは異なり、立地上、地域性が高いエリアとなりますので、まずは調布の街自体を知ってもらうことを意識しました。

Instagramを通して興味を持ってもらい、更にはファンになってもらい、調布に住みたいと思ってもらえる——最終的には地域の活性化につながる取り組みの一環だと思っています。

—中長期的な視点で街を盛り上げる、壮大なロードマップがあったんですね。それでは、実際の取り組みについても聞かせてください。FinTとしては SNS コンサルをさせていただくにあたり、何から着手したのでしょう?

大澤:まず取り組んだのは、クリエイティブ面をより“インスタナイズ”させること。これまで弊社が担当させていただいた商業施設さんでの成功事例や知見をもとに、伸びやすい企画や投稿内容の傾向を分析させていただきました。

そこから、クリエイティブの文字入れやトンマナの変更等の基礎的な部分に加え、トリエの良さを明確に打ち出せるような内容にチューニングし直したことも大きな変更点の1つ。Instagramの市場(ユーザー層)の中でどんな内容が反響が良いかという大枠の観点から、クリエイティブ改善に向けて刷新できたことで、結果的にエンゲージメント率の向上につなげられたと思っています。

株式会社 FinT 大澤

クリエイティブの路線を変更したことで、数値はどのように改善されましたか?

大澤:具体的な数値でいうとリーチ数は約2.5倍ほど改善しました。もちろんフォロワー数の増加があるのでリーチが伸びるのは当然なのですが、投稿に対して見てくれている平均数は圧倒的に増加しています。

また、それだけではなく、注目すべき点がエンゲージメント率。フォロワーで見た時(ENG/フォロワー)には、5月が2.1%だったのに対して、6月の運用開始のタイミングで一気に4.0%まで伸びています。この時点で既に反応のされ方が大きく変わっていることが分かります。ちなみに、一般的な商業施設の平均エンゲージメント率は約1%前後。そうした観点で見ても、フォロワーさんの「量と質」を担保できていると考えています。

荒幡様:貴社へ運用変更後、今までとはクリエイティブがガラッと変わりユーザーの方々の反応が変わったことです。これまでは、ほぼなかったオーガニック投稿へのコメントをいただくようになり、保存数も二桁まで伸び、今までとは比にならないくらい増えました。弊社が指標にしているエンゲージメント率も約1.5 倍増え、さらにユーザーの方に支持されるアカウントに成長していると感じています。

こうしたエンゲージメント率向上を実現できた背景には、どのような点が影響していると思いますか?

大澤:先述の通り、第一に「Instagramでどんな投稿が受けるのか」を意識してクリエイティブを刷新したことですね。加えて、トリエ京王調布のテーマでもある「調布らしい“ ちょっとステキ”な生活」にあわせて内容を変えたこと。そのコンセプトにきちんとフィットするように、夫婦やカップル風の“ちょっとおしゃれな日常”感を意識して投稿を作成しました。

トリエ京王調布とは一見関係のない日常を切り取った投稿でも、モデルさんたちが着ている洋服や食べているごはんは、トリエ京王調布内のお店のもの…といったように上手く繋げながら、施設と調布の街の魅力を発信できていると感じています。それが結果として上手くはまり、ユーザーさんの共感を得られたことで、他の商業施設さんと比べても圧倒的なエンゲージメント率を出せているのではないでしょうか。

https://www.instagram.com/p/CgtuRo9v1US/

https://www.instagram.com/p/Chb9-0vLcG_/

そうした流れで、さらに認知度を上げるために取り組んだのがプレゼントキャンペーンでした。この取り組みについて特に意識された点はどのようなところでしたか?

大澤:これまでプレゼントキャンペーンの実績がないと伺っていたので、当初は弊社の過去実績から良い結果につながっている企画を踏襲したところ、思うような結果には至りませんでした。

それを受けて立てたのが、2つの仮説。トリエ京王調布の特性的に、やはり足元のお客様が必然的に多くなる。そこに対して、幅広い方に向けたプレゼントキャンペーンで無理矢理フォロワーを獲得したとしても、フォローし続けてくれる方は少ないのではというのが1つ。

もう1つは、シンプルにフォロワー数が増えたとしても、届ける情報がその人たちにとって有益じゃなかったら離脱されてしまうのではないかという仮説。形骸化されたフォロワーになってしまうのでは…そんな懸念が生まれました。

そこで、再度プレゼントキャンペーンの結果と2つの仮説とを加味したうえで、本当に届けたい層に向けてプレゼントキャンペーンを実施した方がいいと考え、改善に向けて案を練り直しました。その1つが、診断士の方をお招きしたキャンペーンです。

キャンペーン実施に至った背景を教えてください。

荒幡様:実は、以前からパーソナルカラーや骨格、顔タイプ等の診断系のイベントはファッション販促の一環で実施していました。数十名の定員枠に毎回300名前後の方が応募していただく大人気イベントでしたので、このイベントをさらに発展させた形でお客様に還元できないかと、ご相談させていただきました。

イベント実施に際して、最重視したのは、トリエ京王調布を実際に利用してくださっているリアルなお客様に楽しんでいただくことでした。

応募時点からお客様にワクワク感を感じて欲しい気持ちが強かったので、診断士の先生の選定から投稿画像のデザインや打ち出し方等、何度もディスカッションを重ね、かなり時間を費やしリリースに至りました。

國府田様:Instagramを運用するにあたって、リアルの商業施設を運営する私たちとして、どんな相乗効果が出せるかを考えた時に、「まずはトリエ京王調布に実際に来てもらうきっかけを作りたい」「商品以外のもので、館内で特別な体験をしていただきたい」という思いに至りました。その観点で、元々人気のコンテンツイベントとプレゼントキャンペーンを組み合わせたら面白いのではないか、お客様にとって魅力的なイベントになるのではないかと考えました。

荒幡様:また、今回、店舗スタッフの皆さんにもご協力いただきました。実店舗ならではの強みである対面での接客を Instagram内で前面に出し、「トリエ京王調布にはこんなスタッフがいます!」とアピールさせていただきました。

リアル感を加えることで、トリエ京王調布を身近に感じていただき、さらには「トリエ京王調布でショッピングをしてみたい」と、思うきっけにしてもらうのと同時に、実店舗以外でのお客様とスタッフの接点の機会をつくるということも今回の施策の目的でもありました。

確かに、スタッフさんの顔が見えると行きやすくなったり、商業施設の色がわかったりしますよね。実際のプレゼントキャンペーンの企画について、詳細を教えてもらえますか?

大澤:内容としては、当選者の方にイベント当日にトリエ京王調布にご来店いただき、診断士の方によるカラー、骨格、顔タイプ診断を受けていただいた後に、店舗スタッフさんがお似合いになる洋服を選び、MAX10万円分のトータルコーディネートをプレゼントする、といったもの。なので、体験+商品をご提供した形になります。

https://www.instagram.com/p/CjFsFcZLbkb/

募集にあたっては、広告費をかけずに、トリエに関与しているであろう人のみに対して、キャンペーンの募集をかけた点が最大の特徴。初めての取り組みとして、LINEの「お友達」にも配信させていただきました。

イベント当日は、診断や洋服の選定、Before/After がわかるような縦型動画を撮影し、Instagramに投稿することで、「トリエでこんな体験ができる」「スタッフにはこんな方がいる」という部分をイベント後に訴求。告知や募集はInstagramで始まり、店頭でオフラインイベントを実施し、最終的にはInstagramに結果を載せてさらに関心を高めていただく…といった流れを設計しました。

https://www.instagram.com/reel/CmJMcV_LCn6/

実際に参加されたお客様の反応はいかがでしたか?

大澤:イベント当日やその後のDMを見て、トリエ京王調布を好きになって、「また行きたい」と思っていただけた様子がすごく伝わりました。こうしたイベントによって、1 人のファンが、より濃いファンにかわった瞬間を垣間見れた、貴重な体験だったと思っています。

荒幡:当日は、私自身も立会いをさせていただきました。普段、お客様と直接触れ合う機会が少ない私たちにとっては、リアルなお客様のお声をお伺いでき、とても刺激になりました。今後の施設の運営等にも活かしていきたいと考えています。

1 回目のプレゼントキャンペーン時と比較して、効果や反応の違いにはどのような差がありましたか?

大澤:前回の広告費をかけたキャンペーンに対して、フォロワー獲得数は2倍近く増えました。2回目は、広告費はかけず、LINEや店頭ポスターを活用しつつ、密接なユーザーのみにアプローチ。それにもかかわらず、フォロワー数の伸びが1回目の広告費をかけた時と比較して2倍になっているのが注目すべき点の1つ。

それに対して、離脱する数はほとんど前回のキャンペーン時と変わっていません。単純に計測期間2週間で比較した時に、ほぼ変わらずにフォロワーの数だけが2倍に増えているので 、離脱率も約2倍違う成果だと推察しています。

これらの取り組みを受けて、学びになったことや気づき、今後のSNS運用に活かしていきたいことなどはありますか?

國府田様:お客様から需要の高いリアルの診断イベントと、トリエ京王調布の強みである各店舗のスタッフ様の接客、それをInstagramというオンライン上で展開を図るOMO戦略がとても有効であったと、今回の一連の施策で明らかになったと思います。

貴社と一緒に取り組んできたこれまでの期間では、毎月のように議論を重ね…いわゆる「勝ちパターン」を確立しつつあるように感じていますが、更にブラッシュアップを重ね、今後も「どうしたら調布を好きになってもらえるか」「お客様がワクワクするか」という議論を継続していくことで、調布ファン、トリエファンを増やしていきたいと思っております。

荒幡様:嬉しいことに色々な方に「トリエのインスタを見てるよ!」と、お声掛けいただくことが多くなりました。最近では、Instagramから始まる会話があるくらいです。また、Instagramを通してお客様とのコミュニケーションが発生したり、Instagramを起点に違う仕事に繋がることもあるので…Instagramというコンテンツの可能性に驚いています。

大澤:僕としては、地域の人と商業施設とをどう結び付けていくかを試行錯誤した取り組みでした。結果、こだわり続けた「結びつき」を、体験イベントを通して実際に生で見られたことがすごく大きかったなと思っています。

自分の中ではホワッとしていた曖昧なところ、データでしか見えていなかった仮説が、しっかり足元のお客様に還元でき、間近で人がファンに変わる瞬間を見せていただくことができました。

Instagramという媒体を通して、いかにファンを増やせるかが大事だと身に沁みて感じたので、引き続き1つの投稿の質を担保しつつ、継続的に取り組むことで、「トリエに行きたい」と思ってもらえるファンの方を増やしていきたいと思っています。

最後に、今後の展望について、それぞれお聞かせください。

國府田様:お客様との接点拡大に力を入れていきたいです。我々だけではなく、トリエ京王調布で出店している店舗スタッフ様とも一丸となって接点を作っていきたいです。その結果、よりトリエ京王調布を好きになってもらい、ひいては調布という街を好きになってもらう。そんなきっかけになるアカウントであり続けたいです。

荒幡様:実際、調布自体の認知度はそこまで高くはありませんので、Instagramというコンテンツを通して、いかに調布という街を日本全国に知ってもらえるか、いつも考えています。「調布はいい所だよ!」と、ピーアールし続けたいと思っています。一方で、地元密着型だからこその強みもあると確信していますので、今後も魅力的な「調布配信活動」を続けていきたいです。また、コロナ禍を経て消費に対する考え方が変化していく中で、商業施設のあり方自体も変わっていく必要があるとも考えています。

これまでは、商業施設に集客力のある魅力的なテナント様に出店いただき、お客様にショッピングを楽しんでいただく…というのが主流でしたが、それだけでは足りない時代になってきていると考えています。模索中ではありますが、Instagramの強みをうまく活用しながらその部分を補填していければと考えています。

とはいえ、一番はトリエ京王調布の Instagramを見てユーザーの方々が純粋に楽しんでいただけたら嬉しいなと思っています。心温まるアットホームな“トリエらしい”配信をしていきたいです。

大澤:僕としては、一番はエンゲージメント率を引き続き高い数字で保ちたいと思っているので、「勝ちパターン」をしっかり踏襲しつつ 、お客様に受け入れられるコンテンツを作っていきたいです。これまでは、トリエのことをしっかり理解してくださっているであろう方にアプローチし、フォロワー数を少しずつ増やしてきた状態なので、目先の目標としては、そうしたフォロワーさん達に飽きられないようなコンテンツを継続的に発信していき、「そのうちの1つをトリエでやってみたいな」と感じていただけるものをしっかり作っていきたいと考えています。

もう1つは、1つのアカウントからいろんな人に伝えるだけではなく、「トリエっていいよね」という発信をユーザーさんにしてもらえることが、さらにトリエの認知度を上げたり、ファンを増やすきっかけになっていく鍵を握っていると思っています。

なので、トリエのことを、お客様側から発信してもらえるような取り組みもしたいなと。「トリエ to 調布民」だけではなく、「調布民 to 調布民」「調布民toその先の近隣住民、お友達」へ…といった動きを促せれば、国府田様・荒幡様が掲げるような「調布の魅力」「トリエの魅力」を広げる、といったところにもつなげていけると思うので、企画や設計を含めて、今後も一緒にお取り組みできたらと感じています。

本日はありがとうございました!

株式会社FinTでは、各SNS プラットホームの運用戦略立案から、画像制作、投稿、プロモーションの実施、効果測定といった運用のトータルサポートをさせていただいております。運用だけではなく、インフルエンサーマーケティングやSNSコンサルなど、SNSにまつわる設計や分析〜実装まで幅広く実施しておりますので、ご相談があればお気軽にご連絡ください。

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