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【イベントレポ②】再スタートから2年、ビアードパパがインドネシアで成功を掴んだ出店戦略とは

海外マーケティング 公開 更新 株式会社FinT

今回は、2024年11月26日(火)/11月27日(水)13:00~17:00に開催されたASEAN FUTURE SUMMITにて、ご登壇いただいた、「インドネシアで愛されるビアードパパの秘訣」のセッション内容を当日参加できなかった方に向けてまとめてお届けします。

是非、これを読んでインドネシア市場への理解を深めていただけましたら幸いです。

■イベント概要

・名称:ASEAN FUTURE SUMMIT 2024

・日時:11/26(火)・11/27(水) 13:00〜17:00

・主催:株式会社FinT (https://fint.co.jp)

ASEAN FUTURE SUMMIT 開催の背景

少子高齢化で市場が縮小していく日本において、新たな市場開拓という面で、ASEAN市場への進出の必要性が高まっています。しかし、依然足踏み状態が続いており、進出後も軌道に乗せることができず撤退するケースも少なくありません。昨年5月よりASEAN進出支援を行っているFinTは、今回ASEAN FUTURE SUMMITを通して、先駆者から最新ビジネス動向のリアルを知る機会を作ることで、今後さらなる日系企業がASEAN市場にチャレンジする契機となることを目指します。

登壇者紹介

MUGINOHO GLOBAL PTE.LTD. 代表取締役 井上慶

株式会社FinT 代表取締役CEO 大槻祐依

アジェンダ

1)ビアードパパの現在のインドネシアにおける進出状況

2)インドネシア国内の食品需要/嗜好について

3)ビアードパパのインドネシアにおけるマーケティング活動

4)ビアードパパの今後の戦略について

ビアードパパの現在のインドネシアにおける進出状況

ビアードパパ井上様:ビアードパパ全体の店舗数は日本を含めて14の国とエリアに合計で510店舗ございます。内訳としては日本に280店舗、海外に230店舗です。今回のテーマであるインドネシアには今日現在で53店舗展開しています。2年前の2022年にはインドネシアにあった23店舗を全店閉店し、新しいパートナーと再スタートを切りました。それから拡大し続けインドネシア国内では、空港に18店舗、ショッピングモールに28店舗、それ以外だと病院への出店というのも進めております。

FinT 大槻:そもそもなぜインドネシアに進出しようと思ったのでしょうか。

ビアードパパ井上様:これは私が入る前の話ではあるのですが、20年前の2004年にインドネシア1号店が出店しています。それまでにシンガポールや香港にも進出していましたが当時戦略というものは全くありませんでした。インドネシアも、日本に旅行に来られた方が食べて、「美味しい」「インドネシアでも売れそうだ」ということで本社に来てオーナーさんの許可を得たことから始まったそうです。

FinT 大槻:面白い始まり方ですね。そこからどのように拡大していったのでしょうか。

ビアードパパ井上様:2022年の再スタート後に改めてどれだけたくさんの人にいかにたくさんのものを買ってもらうかという戦略を立てていました。我々の商品は単品かつスーパーマーケットに並ぶようなものではなく、それなりにプレミアムな価格です。当然買える人も限られてしまうので、中間層よりも上ぐらいの人たちが一番多く集まる場所、つまり空港や高級ショッピングモールへの出店からドミナント展開していこうと考えていました。非日常的なイベントがあった時の方が人はアクティブになると思うのですが、それはまさに空港だと思います。空港の良い場所に出店していけるのか、どう出店していくのかを進めていったのが拡大したきっかけかなと思います。

FinT 大槻:具体的なターゲットとしてはどのあたりになるのでしょうか。

ビアードパパ井上様:マーケティングをする際に、21歳から45歳くらいの女性をメインにイメージを作っています。。所得層で言うと中間層あたり、つまり月収5万円以上の層になるのかなと考えています。インドネシアは日本に似ていて、誰かのところに行く時にお土産を持っていく文化があります。そういった時に病院の店舗ではお見舞い用に購入されたり、空港の店舗ではお土産用に購入され、1回の購入数も多いです。

インドネシア国内の食品需要/嗜好について

FinT 大槻:インドネシアだとどのような商品を販売されているのでしょうか。

ビアードパパ井上様:定番のカスタードクリームはどの国でも一番売れる商品ですが、鉄板のチョコレートや現地で人気なチーズクリームはよく売れます。また、ローカルフレーバーとしてデーツ(なつめやし)を使ったクリームやドリアンクリームもよく売れています。

FinT 大槻:商品開発の際に気をつけているポイントはありますでしょうか。

ビアードパパ井上様:インドネシアは食に対して非常に保守的です。まだ新しいものは敬遠されて大きく外してしまうケースもあります。現地のフィリングを使ってスイーツを作っているメーカーさんからの情報を得ながら商品開発をしますが、テーマを外さないというのが重要だと思います。Z世代の方々で言うと、保守的ながらも少しひと手間加えたいと言うインサイトもあります。例えば、チョコレートだったら日本に行った時に抹茶チョコレートのお菓子を食べて美味しかったから抹茶チョコレートを求める、などです。単なるチーズクリームではなくブルーベリーチーズにした方が売れるのではないか、などのコメントもいただくようになっています。

また、ビアードパパのシグネチャー商品であるカスタードクリームは日本と同じ味に近づけるようにしています。もっと甘くしたいというパートナーさんからの要望もあるのですが、生地に塩分を含ませていてそこまで砂糖を入れなくても自然由来の甘味が伝わるような商品設計にしています。ローカルフレーバーはある程度パートナーさんの自由にさせている部分もあるのですが、最終的にカスタードの味に戻って来れるようにここだけはローカライズしないようにしています。

FinT 大槻:インドネシアの特徴の一つとして、ムスリムの方が多くハラル認証が存在するというのが挙げられます。ハラル認証は豚やアルコールなどの禁止されている物質が含まれておらず、製品の製造環境においてもクリアしていることを証明するものですが、ビアードパパさんではどのように取得されたのでしょうか。

ビアードパパ井上様:シュークリームはシュークリームの皮とクリームに分けられると思うのですが、皮はシンガポールの工場で一括大量生産して送っています。日本以外の全ての国にハラル認証をとっています。2022年に新しいパートナーに変わってから認証を得るまでに約2年間かかりました。原材料が何であるのか、その原材料はどういった製造プロセスを経て作られているのか、など一つひとつ書類を出して証明する必要があります。本来であればもっと早く取得できたのではないかと思いますが、インドネシア人ののんびりしている特性や、担当が変わることによって3ヶ月動きが止まるといった理由で結果として2年間かかりました。インドネシアにおいて約9割がムスリムということもあり、ハラル認証を取得しておくということは絶対に必要なことだと思いますし、厳格化も進んでいます。

ビアードパパのインドネシアにおけるマーケティング活動

FinT 大槻:インドネシアにおいてうまくいったマーケティング施策はありますでしょうか。

ビアードパパ井上様:オフラインとオンラインの融合を意識し、地方都市でのお祭りのようなイベントでポップアップショップを出店しています。イベントには多くの人が集まり、その様子をInstagramなどで発信して広げる取り組みを定期的に行っています。

FinT 大槻:オフライン、オンラインを融合させて拡散させているのですね。まだ知名度のない時に店舗に来ていただくためにしていたことはありますか。

ビアードパパ井上様:とにかく多くの人が通る時に振り向かせるには、五感に訴えることが重要です。シュークリームの生地をオーブンで焼いた後に冷やす必要があるのですが、冷ます時に扇風機を使っています。冷ますというよりは匂いを外に飛ばすために使っているところもあります。いい匂いにつられてお客さんが何だろうと思って並んでくれると、さらに行列が伸びていく効果もあります。

ビアードパパの今後の戦略について

FinT 大槻:今後の戦略について考えていることはありますでしょうか。

ビアードパパ井上様:現地生産と物流の最適化です。できれば来年中に現地に工場を作って、今シンガポールで作ってるシュークリームの生地をインドネシアで作り、よりお手頃な価格でクオリティを落とさずに製造していきたいと考えています。物流に関してはコールドチェーンがまだまだ弱いため、特にシュークリームの生地のような気温や湿度によってダメージを受けやすいものは扱いにくいです。現在のシンガポールの工場とインドネシアのコネクションをいかに減らせるかが品質の安定やコストダウンにつながるため、まずは現地での生産が全てのスタートラインだと考えています。

FinT 大槻:最後に、これからASEANに展開しようとされている方々にメッセージをお願いします。

ビアードパパ井上様:これから海外進出を考えられている方がいれば、その意義を明確にしておくべきだと思います。言語、文化、宗教、風習、商習慣の違いがある国でやるにはエネルギーがかかりますし、意義がないと挫折してしまいます。単に日本がこれからオワコンだから、人口が減っていくからということではなく自分たちの扱っている商品あるいはサービスが、その国にどう受け入れられたいのか、それをもってどう幸せにしていきたいのかという意義をきちんと見出すことができれば、あとはちゃんと勉強して行動に移すだけだと思います。そういう高い志を持った人たちと、ぜひ世界で会いたいなと思っています。

今後のウェビナーのご案内

株式会社FinTでは、定期的にSNSのウェビナーを実施しております。

是非、興味ある方は下記からご確認をお願いいたします。

https://fint.co.jp/seminar/

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