この事例の成果
- 獲得CPFが業界平均の3分の1に
株式会社FinTは、ロート製薬株式会社が展開するスキンケアブランド「SKIO(スキオ)」のInstagramアカウントのSNSマーケティングのご支援をさせていただいております。今回は同ブランドの担当者様と、株式会社FinT 担当ディレクター岡澤に、店頭配下のないEC限定での取り扱いだからこそのInstagramを通じた潜在ファン獲得へのアプローチに向けたマーケティング事例について取材しました。
本記事は、Instagramの運用を自社でやっているもののなかなか成果が出ないといったお悩みや、自社でできる運用をどう最大化していくべきかといった基礎的なお悩みに関して、お答えしていく記事になればと考えております。
(取材:株式会社FinT 広報担当石原里奈)
本日はよろしくお願いします!まずはロート製薬株式会社(以下、ロート製薬)について、またその中での「SKIO」の立ち位置について教えてください。
SKIO担当者様:ロート製薬は、皆さまが日常的に感じるご不調や健康面のサポート領域で商品展開をしている製薬メーカーです。基本的にはヘルスケア——健康寿命を延ばすことを一番に、ウェルビーイングの追求を大切にしています。
弊社は様々な領域で事業を展開しておりますが、売上の約6割がスキンケア商品であり、ドラッグストアの業態が強いのが実情です。その中でも、SKIOはECのスキンケアを担う、いわゆるDtoCスキンケアの先駆けという位置づけとなっています。
特に今、コロナ禍を経て市場的にもECが顕著に伸びているので、その意味でももっと会社全体として育成していきたい注力ブランドです。
続いてそれぞれの担当業務を教えてください。
SKIO担当者様:SKIOの立ち上げからはじまり、現在は商品企画・認知広告等や顧客のファン化育成など、ブランディングを中心とした業務を主に担当しています。私自身は、商品企画に長らく携わっており、肌ラボやオバジなど、スキンケアのものづくりに関わってきました。
岡澤:私は、FinTが運用するアカウントのなかでもスキンケアカテゴリのアカウントを中心に担当しています。その中でもSKIO様のケースですと、先述の通りEC遷移がゴールになるので、どのようにInstagramを運用し、どうアピールしていくのが最適かを検討するなど、設計から戦略までを合わせて提案させていただいております。
SKIOのブランドコンセプトとターゲットについて、簡単にお聞かせいただけますか?
SKIO担当者様:SKIOは、「無理なく、無駄なく、美しく」というコンセプトを持ったブランドです。女性の社会進出が当たり前になった現代において、女性たちの忙しさはライフステージが上がるほどに増していくと考えています。自分に手をかけてあげられる時間がなく、「理想の自分」とかけ離れてしまう…そんな状況にいる30・40代の女性の方々に向けて、スキンケアでの提案ができたら——そんな思いから生まれました。
一般的にスキンケアは、化粧水・乳液をベースに、肌悩みに合わせてアイテムを足していくことになります。一方で、それは先程述べた女性の「どんどん時間がなくなっていく」という課題に反比例しますよね。SKIOはそうした点をカバーし、効率的なステップで、しっかりとした効果や保湿力を担保することを念頭に開発された商品となっています。

ロート製薬株式会社 SKIO担当者様
Instagramのアカウント運用に注力する背景は何だったのでしょうか?
SKIO担当者様:実は、SKIOのリリース1か月程前からSNSアカウントは開設していました。SNSアカウントの中でもInstagramに注力していたのは、お客様のカスタマージャーニーを紐解いていくと、特にInstagramを用いて情報収集をしている行動傾向があるとわかったのです。
特にSKIOは店頭にはない、EC限定商品。つまり、基本的にはブランドや商品の情報をお客様に調べていただく必要があります。その情報の受け皿を作る時、お客様に馴染みのあるInstagramが重要になるのではないかと考え、アカウント運用の注力に踏み切りました。
その中でFinTにご依頼いただくにあたり、どのような点に課題を感じていましたか?
SKIO担当者様:一番はフォロワー獲得が難しいことでした。SKIOは2020年に発売したのですが、コロナ禍もあり、他社さんも含めてInstagramアカウントの開設が大幅に増えた時期。お客様にフォローしていただくことが難しくなったタイミングで、CPFがすごく高まっていると感じていました。
当時目標としていたフォロワー数は1万人。これは、ブランドの信頼感やクラス感を考慮して暫定的に設定した数値でした。ただ、何をやってもなかなか増えていかない壁にぶち当たってしまい…。そうした中で、たまたまFinTさんから「SKIOはもっと伸ばせる!」とご提案いただく機会があり、ご依頼するに至りました。
ありがとうございます。では実際の取り組みについて教えてください。具体的にどのような点から改善されたのでしょうか?
SKIO担当者様:SKIOのお客様に関して言えば、当初は30代をメインに想定していたのですが、意外にも40代の女性のお客様が多い傾向にあり、もう少し若い層へのアプローチも必要だと考えていました。
というのも、特にInstagramは20代などの若い世代も見るような媒体なので、継続的にSKIOと接点を持っていただく「未来のお客様の育成」といった観点では、20代後半のお客様にアプローチしたいと思っていたんです。そこで、まずはトンマナに関してご相談し、ターゲットに合わせて20代後半から30代の方が好みそうな内容を意識して作成いただきました。
つまりInstagramでアプローチするターゲットの再定義を行ったと。
SKIO担当者様:そうですね。FinTさんとのお取り組みの中ですごくありがたかったのが、「Instagramアカウントの中でSKIOをフォローしているお客様はどんな人なのか」を徹底的に分析していただいたこと。
結果として、「元バリキャリ」「今は働いているが、子育て中のため仕事はペースダウンさせている」「経済的な余裕がある」——そんな方が多いのでは、と仮説を立てていただいたんです。
さらに、そうした方々が他にフォローしているアカウントを見ていくと、カフェアカウントや育児アカウントなどの専門情報を発信するものが多いことも分かりました。「タレントなどのアカウントをフォローして、誰かのライフスタイルに憧れるというよりも、自分に必要な分野に自らリーチしに行く…情報収集力の高い方々なのでは」。そんな分析結果を共有いただきました。
そうした情報収集力のある人が好むような世界観とは?理想のライフスタイルに必要なInstagramでの見せ方とは?といったところを、ディスカッションを重ねつつご提案いただいて、変更を加えながら現在のトンマナに辿り着きました。
岡澤:ご提案にあたっては、FinTが持つ「SNS起点でのクリエイティブの作り方」に関する知見、加えてご共有いただいた「お客様の声」を掛け合わせて行いました。もちろんディスカッションさせていただいたことも含めて、トンマナを更新していくことによって効果的にターゲットにアプローチできたのかと思っています。
「お客様の声」というのは?
SKIO担当者様:「SKIO公式サポーター」と呼ばれる方々とブランドを共創する取り組みを行っていて、サポーターさんたちには無償でSKIOの企画や運用に対してご意見をいただいています。そこでSKIOのInstagramについてお聞きしたところ、「トンマナがラブリーかも」「自分の思い描くライフスタイルや理想の暮らしと少しだけ乖離がある」といったご意見をいただいたんです。
それを踏まえると、やはりFinTさんがお持ちの知見と、ロート製薬の持つお客様の情報、そしてSNS上から見る実際のデータを掛け合わせることで、効果的なクリエイティブ制作ができているのだと感じます。
取り組みのなかではプレゼントキャンペーンも実施されたと伺いました。そちらの施策での効果はいかがでしたか?
SKIO担当者様:プレゼントキャンペーンは、これまで5月、7月、9月に3回実施しました。率直な感想としては、「ライフスタイルの中でこんな生活ができる」と想起しやすいクリエイティブを作ったキャンペーンが伸びた印象があります。

左から5月、7月、9月に実施したプレゼントキャンペーンのクリエイティブ
岡澤:クリエイティブ面に関して言うと、(上の画像の)左と右のものが伸びたので、仰っていただいたように、ブランドイメージや、活用シーンが伝わりやすいクリエイティブの反応が確かに良かったと思います。

株式会社FinT 岡澤
岡澤:加えて、フォロワーさんの分析も並行して強化していました。フォロワーさんがフォローしているものを見ていき、美容以外にも買い物や料理情報が多かったり、あるいは投稿している内容にお子さんの写真が多かったり…。こうした結果を踏まえて当初のターゲット層からさらに設定を広げ、よりクリエイティブのイメージと、商品のイメージ、そしてターゲットがきちんと沿うように設定し直していったことが、堅実に伸びていった要因だと考えています。
SKIO担当者様:これによるターゲット層の変化は大きかったです。画像左の頃は立ち上げ期だったため、フォロワーさんの中には美容情報をアカウントに投稿している方が顕著でした。一方、画像右の事例では、お子さんの写真を上げているような方がすごく増えている印象がありました。
なので、美容が好きでかつ多忙な女性=私たちがターゲットに据えるイメージに合った方がフォロワーになってくださっていることが、コメント等を通じて見えてきたんです。適切にターゲットにアプローチができていた証ですよね。
実際にターゲットの再定義やクリエイティブの改善をしていくことで、数値はどのように変わったのでしょうか?
岡澤:一般的な業界平均と比較すると約1/3にまで落とすことができました。
最新のプレゼントキャンペーンの詳細についても教えてください。
岡澤:今回(3月)はお力添えいただいたこともあり、これまでの5~10名様という枠を大幅に超える100名様に設定いただきました。まずは規模を大きくすることで、前回やや上がってしまったCPFを改善できればと考えています。
クリエイティブに関しても、これまでの実績として伸びやすい傾向にある「中央に文字を置く」デザインを踏襲しました。加えて、設定し直したトンマナを意識し、少し落ち着いた雰囲気でサムネイルを作成しました。

https://www.instagram.com/p/CpzUKcBLYmq/[
プレゼント対象者を100名に増やした意図はどういった点にあったのでしょう?
SKIO担当者様:元々「2023年3月に1万人フォロワーに到達したい」と目標を設定していたのですが、最近になってCPFが弱くなり進捗が芳しくなかったので、従来のような5名・10名規模のキャンペーンをやっても厳しそうという所感がありました。そこで、改めてロート製薬が提供できるものは何かといったところに立ち返り、弊社の商品でできる限り魅力的にできる方法を模索し、100名様を対象にプレゼントさせていただくことになりました。
また、今までは基本的にInstagramの運用の中だけで顧客を増やしていく方針でいいかと思っていたのですが、今のSKIOの定期顧客のお客様にも継続的に知っていただくことで、クロスセルの可能性やチャンスがあるのではと感じました。弊社の持つ定期顧客や過去の購入データ等もあったので、そうしたものを活かしながら今回のキャンペーンを告知をし、Instagramの外側にもリーチできる場所を増やせるような仕掛けを作ったのがこれまでとは異なる部分ですね。

今回のFinTとの取り組みを経て、変化や気づきがあれば簡単に教えていただけますか
SKIO担当者様:お客様の情報収集における行動だったり、顧客層の解像度がものすごく上がった点が、FinTさんとご一緒してよかったことだと思っています。
私たち自身、調査においては定性も定量も確認していますが、やはり情報収集においてお客様がどんな「質」のものを見ているかまでは、どうしても優先度が下がってしまって見れていませんでした。でも、私たちが拾いきれない部分を丁寧に見ていただいたことで、「フォロワーさんはこういう人だね」という解像度が本当に上がったと実感しています。
SNSは、ライフスタイルの嗜好性や、見ている情報の質という面も分析できる可能性があるのだと、改めて気づかせていただきました。
FinTさんは、圧倒的にSNS運用面での知見があったり、実際に携わっている皆さまがSNS好きな人たちが多かったりなど、そういった意味でも安心してプロに任せられている安心感もありました。ロート製薬としてのSNS運用面においても、FinTさんからいただいたノウハウを社内でシェアさせていただくこともあり、本当に助かっています。
最後に、今後のInstagramの展開について、展望や目指す姿をそれぞれ教えてください。
SKIO担当者様:まずは今回、当初目標としていた1万人を無事に突破できたので、今後の取り組みも刷新していきたいと画策しています。エンゲージメントに関しても、保存数がすごく増えてきています。
これまでは1投稿に対して1枚の画像のみで、キャプションに情報を載せる形式だったのですが、最近はカルーセルタイプに移行し始めています。ビジュアルで情報をインプットしてもらえるようなカルーセル投稿にすると分かりやすく保存数が上がるという動きも見られるので、今後このタイプの投稿を増やしていく予定です。
Instagramアカウント自体を、雑誌のような感覚での情報収集、つまり、本来SNSで注力したいと思っていた「興味・関心・ブランド理解・愛着育成」の場としての機能を強化していきたいと思っています。
そして、さらに次にやるべきことは「では購買にどうつながっているのか?」の検証。ゆくゆくは、購買行動に結びつける接点としてInstagramを育てていきたいと思っており、そこをどう設計していくかといった点は、楽しみでもあり、課題でもあると感じています。ただ、そういった取り組みはロート製薬内ではまだまだやれていない分野なので、率先してSKIOでチャレンジしていきたいと思っています。
岡澤:店頭にはない点が、他ブランドとの大きな違いであり、SKIOの魅力の1つだと感じているので、SNS起点のブランドとしての認知や、商品としての地位をしっかり確立していくことで、ロート製薬様のSNSとしての強みにつなげ、FinTとしても知見をさらに増やして、SKIO、ひいては他の挑戦されている事業面でもお力添えできれば幸いです。
直近としては、SNS起点の次世代ブランドとしての確立、また、受け皿としての側面も引き続き大切だと思っているので、検証の中で口コミの反映や、フォロワーさんの分析も続けつつ、さらにアカウントを大きくしていきたいと思っております。

本日はありがとうございました!
株式会社FinTでは、各SNSプラットホームの運用戦略立案から、画像制作、投稿、プロモーションの実施、効果測定といった運用のトータルサポートをさせていただいております。運用だけではなく、インフルエンサーマーケティングやSNSコンサルなど、SNSにまつわる設計や分析〜実装まで幅広く実施しておりますので、ご相談があればお気軽にご連絡ください。