Z世代を中心に話題となっているフランス発のSNSアプリ『BeReal』。InstagramやTikTokとは異なり、フィルターや加工のない“ありのまま”をシェアすることをコンセプトにしており、その独自性がZ世代に強く支持されています。日本では、2023年1月頃からBeRealが注目を集め始め、人気が急速に高まって上昇トレンドとなっています。
本記事では、BeRealの特徴や人気の理由、エンゲージメントの高さに加え、企業がどのようにこのプラットフォームを活用しているかについて解説します。KFCやNetflixの事例を交えながら、広告機能や企業アカウントの運用のポイントもご紹介しますので、BeRealの活用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
本記事ではBeRealを活用したマーケティングの支援やSNSマーケティングにおいて460社以上を支援してきた当社の視点で以下を解説いたします。
- BeRealの概要
- BeRealに人気な理由
- BeRealを活用したマーケティング
- BeRealを活用した事例
フランス発のSNS”BeReal”とは

BeRealは、フランスで誕生した新しいタイプのSNSアプリで、他のソーシャルメディアとは一線を画しています。InstagramやTikTokのように完璧に編集された写真や動画を投稿するのではなく、BeRealは「ありのままの瞬間」をシェアすることをコンセプトとしています。ユーザーは毎日ランダムな時間に通知を受け取り、その瞬間に写真を撮って投稿するルールとなっており、写真の加工やフィルターを使うことができないため、リアルで自然な交流が生まれるのが特徴です。2020年にスタートしたこのアプリは、短期間で世界中のZ世代に広がり、特に「完璧さ」を求めないリアルなコミュニケーションを好む若者に支持されています。
BeRealがZ世代に人気の理由

BeRealがZ世代に圧倒的な支持を得ている理由の一つは、その「リアルさ」を重視したコンセプトです。従来のSNSでは、完璧に見せるためのフィルターや加工が当たり前になっていますが、Z世代はそのような「見せかけ」の文化に疲れを感じています。BeRealはその逆を提案し、フィルターなしで自分自身や日常をそのまま表現できる場を提供しているのです。Z世代は、自己表現や他者とのつながりを重視し、ありのままの姿で交流することに価値を見出しています。BeRealは、SNSにおいて「素の自分」を発信する新しいスタイルを提供し、Z世代のライフスタイルや価値観にフィットしたプラットフォームと言えます。
BeReal は”ありのまま”を表現できる仕様

BeRealの最大の特徴は、ユーザーが「ありのまま」をシェアできる仕組みです。このアプリでは、毎日ランダムな時間に通知が届き、その時に自撮りと周囲の景色を同時に撮影し、フィルターや加工なしで投稿します。写真を編集する時間もなく、ありのままの姿を瞬時に共有するため、ユーザー同士が飾らないコミュニケーションを楽しめるのです。
特にZ世代は、他人と競うことよりも、自己肯定感を大切にし、リアルでオーセンティックなつながりを求める傾向があります。BeRealはそのニーズに応えるプラットフォームとして、彼らの日常に溶け込み、人気を集めているのです。
BeRealのエンゲージメントと注目度
BeRealがZ世代に支持される理由の一つには、ユーザーが「ミッション感覚」でリアルな瞬間を共有できる点が挙げられます。BeRealは、日常の「そのまま」を記録するというシンプルなアプローチで、SNSに新しい体験を提供しています。ユーザーにとっては日々の記録がゲームのような感覚で楽しめ、通知が来た瞬間に写真を撮り、日常のリアルな断片を仲間とシェアするのが習慣になっています。
また、最新のZ世代トレンドを分析した「若年層の流行に関する定点調査(2023年下半期)」(LINEヤフー調べ)によると、2023年注目のサービスとしてBeRealが堂々の1位に選ばれており、その人気は社会現象とも言えます。Z世代におけるリアルな共有や日常の記録に対するニーズがBeRealをトップSNSへと押し上げています。
順位流行(自由記載)%1BeReal7.2%2ちいかわ6.8%3ちょんまげ小僧6.2%
特に注目すべきは、BeRealの高いエンゲージメント率です。 マーケティングアプリケーションズがZ世代を対象に行った「BeReal」を含む複数のSNSについての調査結果ではBeRealは、投稿通知が届くとユーザーが積極的に応じる傾向にあり、「毎日1回投稿する」または「毎日数回投稿する」と答えたユーザーは29.0%と、Instagram(13.4%)やTikTok(9.7%)を大きく上回りました。さらに「月に1回以上投稿する」ユーザーも63.4%と、他のプラットフォームを抑えてトップになっています。
BeRealのプッシュ通知に対する反応率も高く、「とてもあてはまる」または「ややあてはまる」と答えたユーザーが63%を占め、他のSNSに比べても突出していることがわかります。多くのユーザーは、授業中やアルバイト中などのスキマ時間でさえも通知に反応し、リアルな瞬間を記録するための投稿を行っているのです。このように、BeRealはユーザーの高いエンゲージメントを引き出し、Z世代にとって日常の一部として浸透しています。
BeRealの特徴と機能
BeRealは、他のSNSとは異なる「リアル重視」のユニークな機能を豊富に備えています。毎日ランダムに通知が届き、通知を受け取ったらすぐに写真を撮って投稿するスタイルで、リアルタイムの瞬間を共有することを前提としています。ここでは、BeRealの特徴的な機能を詳しく見ていきます。
投稿しないと他の投稿が見られない
BeRealでは、自分が投稿しない限り、友達の投稿を見ることができません。これにより、ただ見るだけの利用ではなく、積極的な「参加」を促しています。
他人のフォロワー数が非公開
BeRealでは他人のフォロワー数が確認できないため、フォロワー数や「いいね」の数に依存せず、純粋なコミュニケーションが楽しめる環境が整っています。
公開範囲とタイムゾーンの設定
投稿の公開範囲を「友達のみ」「友達とその友達」「グローバル」といったオーディエンスに応じて選択できます。また、タイムゾーンの選択が可能で、ユーザーが生活する時間帯に合わせて通知が届くようになっています。
カメラの工夫
撮影時にはアウトカメラとインカメラを同時に使用し、正面と自撮りの写真を同時に撮影する仕組みが特徴です。これにより、ユーザーの視点と表情の両方をリアルタイムに捉えた投稿が可能になります。
リアルな反応を示す「RealMoji」
BeRealでは、絵文字の代わりに自分の顔写真を撮影してリアクションを送る「RealMoji」機能が搭載されています。表情をリアルに反映した反応で、友達の投稿により親密なフィードバックができます。
コメントと通知機能
友達の投稿にコメントを付けたり、リアクションが来ると通知が届く機能も備わっています。リアルタイムで交流を楽しむことができ、コミュニケーションを深める手助けとなります。
「メモリーズ」として過去投稿の保存
1日1回の投稿が必須で、古い投稿は一定期間が経つと消去されますが、「メモリーズ」機能を使えば自分の過去の投稿をカレンダーのように見返すことができます。これは、リアルな日々の記録として活用できる点が魅力です。
位置情報の共有と「Behind the Scenes」機能
投稿時に位置情報を共有することも可能で、友達がどこで投稿をしているかを把握できます。また、撮影前後の数秒間の映像をシェアする「Behind the Scenes」機能も備え、投稿に至る背景を伝えることができます。
BeRealオーディオ
投稿時に聴いている音楽も共有でき、ユーザーの「その瞬間」をさらに深く共有するための工夫がされています。
このようにBeRealは、投稿の義務化やリアルな反応を促す機能を通して、SNSにおける「リアルな自分」を重視した新しい体験を提供しています。他のユーザーとシェアする「ディスカバリー」機能や、日々の記録を保存する「メモリーズ」など、SNSとしての機能と記録ツールとしての要素が融合されており、Z世代の価値観にマッチしたプラットフォームとして成長しています。
BeRealを企業が活用したマーケティング施策について
BeRealは、リアルな日常を共有するというコンセプトから、従来のSNS広告とは異なるアプローチが必要です。企業がこの特性を活かして行うマーケティング施策は、オーセンティックなつながりを重視するZ世代に対して大きな効果を発揮します。
BeRealのリアルタイムでの投稿という性質を活用し、ユーザーの「今」に寄り添うことができた点が成功の秘訣となります。広告のような見せ方をせずに、ユーザーに自然に溶け込むコンテンツを提供することが、視聴者との親和性を高め、Z世代に響く結果を生み出します。
BeRealでのマーケティングは、企業がユーザーと自然な形でつながるための新たなチャンスを提供しています。ユーザーのリアルな瞬間に寄り添うコンテンツを提供することで、ブランドイメージの向上や認知拡大につなげることが可能です。
BeRealを活用した事例
KFC
KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)の事例は、BeReal広告の「リアルさ」と「ありのまま感」がどのように表現されるべきかを示す好例です。Instagramのクリエイティブでは、商品がまるでアートのように配置され、しっかりと計算された構図とスタジオ仕様のライティングが印象的です。商品が洗練されて美しく見えるよう、静物画のように緻密に演出されています。
対照的に、BeRealでのKFC広告はより「ありのまま」に近い雰囲気です。人物が手を伸ばしてKFCの商品を口に運ぼうとする瞬間が捉えられており、ユーザーの日常に溶け込んだ自然なシーンが展開されています。これにより、フォーマルで演出が際立つInstagram広告とは異なり、BeReal広告では「本物の日常」を感じさせるリアルな瞬間を切り取ることが求められていることが明確です。
この比較からも分かる通り、BeRealのプラットフォームでは作り込まれた広告よりも、ユーザーに親しみを感じさせる「リアルな瞬間」が重要視されており、KFCの事例はその最適な活用方法を示しています。
Netflix

その一例として、Netflixが日本で行った「BeReal Takeover」があります。Netflixは、BeRealを活用して一日限定の特別コンテンツを提供し、視聴者が関心を持つようなキャンペーンを実施しました。この施策により、わずか24時間で4,900万インプレッションを獲得し、2.7M(270万)のユニークユーザーにリーチしました。さらに、ユニークユーザーの6%がコンテンツにクリックするという高いエンゲージメントを達成しています。
BeRealの広告機能について
BeRealは、2024年7月から日本で広告事業を本格化させ、若年層に特化したSNSとして注目されています。広告媒体資料によると、BeRealの月間利用者数(MAU)は約430万人、1日当たりの利用者数(DAU)は約300万人に達し、ユーザーの97%が27歳未満と、若年層が圧倒的に多いのが特徴です。
BeReal広告の基本情報
BeRealは比較的新しいSNSであり、広告フォーマットも他のSNSに比べてまだ発展途上です。現在はユーザー体験を重視し、広告の影響がSNSの「リアルな交流」にどのように作用するかを慎重に検証する段階にあります。今後、ユーザー体験を損なわずに広告のパフォーマンスを最大化するため、フォーマットの充実が期待されています。
BeReal広告メニュー
日本で提供されている広告メニューには「Full Day Take Over」と「1st Impressions Take Over」の2種類があり、それぞれ異なるリーチ戦略が取られています。
Full Day Take Over
すべてのユーザーに対して表示される広告で、想定インプレッション数は約5,500〜7,500万回です。1日あたりのアクティブユーザー数から計算すると、幅広い層へのリーチが可能です。
1st Impressions Take Over
最初の3インプレッションに限定して表示される広告フォーマットで、上限インプレッション数は約800万回です。特に最初のインプレッションでユーザーの関心を引きたい企業に向いています。
BeRealのターゲティング機能
BeRealでは、年齢、地域、OSなど、限られたターゲティングが可能です。登録時に生年月日と郵便番号を入力するため、年齢ターゲティングの精度は高く、地域ターゲティングも郵便番号ベースで設定できます。また、iOSとAndroidのデバイスごとにターゲティングすることも可能です。
今後、ユーザーの興味関心に基づくターゲティングやリターゲティングも実装される予定で、フォローしているアカウントや投稿内容をもとにユーザーの趣味嗜好に合わせた広告配信が可能になると予測されています。
BeRealはまだ広告展開の初期段階にあるため、柔軟なテストが可能な段階です。広告のリーチ力とユニークなターゲティングで、特に若年層をターゲットとする企業にとって大きな可能性を秘めたプラットフォームとなっています。
BeRealの企業アカウントの運用について
BeRealは、他のSNSと異なり「ありのまま」を重視したプラットフォームであり、企業アカウントの運用にも独自のアプローチが求められます。従来の広告とは異なり、ユーザーとの自然でリアルな接点を作ることが重要で、BeReal上での効果的な運用は特に若年層との深いコミュニケーションに直結します。
BeRealの企業アカウントは、ユーザーが普段見られない「裏側」や、製品・サービスの使われている瞬間を、演出の少ない形で公開することが大切です。例えば、オフィスの日常や製品のリアルな使用シーンなどを発信することで、フォロワーとの信頼関係を築きやすくなります。特に、BeRealの「通知が来たらすぐに投稿」という特性を活かして、社員がその場で撮影したオフショットをシェアするなど、リアルタイム性が求められる運用が効果的です。
当社は、企業がBeRealの独自のコミュニケーション手法を活かせるよう、最適なアカウント運用をサポートする代理店です。BeRealならではのコンテンツ企画や投稿タイミングの最適化、ターゲット層に響く自然なコンテンツ作りを提案し、貴社のブランディングやファン獲得を支援します。
BeRealでの企業アカウント運用は、ユーザーに寄り添いながら「リアルな魅力」を伝えるための絶好の機会です。特にZ世代との深い関係構築を目指す企業は、この新しいSNSを通じたユニークな運用をぜひご検討ください。企業のBeRealアカウント運用についてのお問い合わせや詳細なプランニングについては、ぜひ当社までご相談ください。
まとめ
BeRealは、ありのままの瞬間を共有するSNSとして、特にZ世代から高い支持を集めています。従来のSNSとは異なり、フィルターや加工を排除したリアルな表現が特徴で、広告や企業アカウント運用においても自然で親しみやすいアプローチが求められます。KFCやNetflixなどの事例が示す通り、BeRealを活用した企業の取り組みはユーザーとの共感を生み出しやすく、ブランドの魅力を効果的に伝えることが可能です。
また、日本市場での広告展開が本格化した今、BeRealは若年層へのリーチを目指す企業にとって新たなチャンスを提供しています。運用方法に迷う企業は、ぜひ当社のサポートをご活用いただき、BeRealでの戦略的なコミュニケーションを実現してください。